フローパック包装機のメンテナンスを短縮する回転伝送部品の基礎と選定ポイント

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目次

1. フローパック包装機で発生しやすい回転伝送の課題とは?
2. 回転部の電力供給が不安定になる理由とスリップリング寿命が短くなる仕組み
3. メンテナンス短縮のための一般的な解決アプローチ
4. 回転接点・スリップリングの選定ポイント
5. フローパック包装機向け回転伝送部品のアプローチ例
6. 関連製品
7. お問合せ

1. フローパック包装機で発生しやすい回転伝送の課題とは?

食品包装・医薬品包装の現場では、「回転部の電力供給」「食品包装機のメンテナンス短縮」といったキーワードが課題に上がります。フローパック(Flow Pack)包装機のロータリーシール部は高速で回転しながらヒートシールを行うため、ヒーター電源や温度センサ信号を回転軸へ送り込む必要があります。この“回転しながら電力と信号を伝送する部分”で多くのトラブルが発生します。

特に次のような課題は業界共通です。

包装工程では連続運転が前提となるため、「交換作業の短縮」や「レトロフィットしやすい回転接点」が求められます。


2. 回転部の電力供給が不安定になる理由とスリップリング寿命が短くなる仕組み

● なぜフローパック包装機では回転伝送部品が早く摩耗するのか?

フローパック包装機に搭載される回転伝送部品は、ヒートシール温度制御の電力(例:20Aクラス)やPT100等の温度信号などを連続して供給します。このとき発生する摩耗と熱負荷が寿命を大きく左右します。

摩耗を早める背景として、

などが挙げられます。

● 「スリップリングの寿命が短い理由」を深掘りする

多くの現場で課題となるスリップリングの寿命は、以下の構造的要因と関係します。

特に20A級の電力伝送は接点へのダメージが大きく、寿命を縮める要因となります。


3. メンテナンス短縮のための一般的な解決アプローチ

● “構造的に摩耗しにくい設計” を採用する

回転伝送部品の交換頻度を減らすためには、摩耗源を減らす構造設計が重要です。例えば「ブラシ材質の最適化」「リング表面処理」「低接触抵抗構造」などは一般的に有効な手法です。

● “工具レスで分解しやすい構造” を選ぶ

包装ラインの停止時間は生産ロスに直結します。スリップリング交換作業を短縮したい場合、次のような特徴がある製品が有効です。

● “レトロフィットのしやすさ” をチェックする

既存の包装機に組み込む場合、「取付寸法」「中空径」「ケーブル引き回し」などがネックとなります。そこで、次の点が重要です。

 

4. 回転接点・スリップリングの選定ポイント

● 回転伝送部品を選ぶときに確認すべき8つの項目

フローパック包装機向けに回転接点を選定する際、以下がポイントとなります。

  1. 必要電流(例:20Aヒーター電源)に耐えるか
  2. 温度センサ(PT100/1000)をノイズなく伝送できる構造か
  3. 連続回転数(rpm)と寿命が十分か
  4. 高温環境下でも安定動作するか
  5. IP規格(防塵防滴)がライン環境に合うか
  6. メンテナンスの容易さ(ブラシ交換可否)
  7. 既存ラインに組み込める寸法か
  8. 食品・医薬品環境に適した構造か

 

5. フローパック包装機向け回転伝送部品のアプローチ例

● 高温環境でも安定動作する回転伝送部品の選び方

食品包装分野では、ヒートシール部が高温になるため、一般的には以下のようなカテゴリの製品が適しています。

こうしたカテゴリの製品は、包装機OEMが抱える「交換頻度」「寿命の短さ」「レトロフィット困難」の解消につながります。


6. 関連製品

以下リンクにて、食品・医薬品業界のフローパック包装機向けに開発されたF7270をご紹介しています。
【F7270】フローパック包装機向けスリップリング


7. お問合せ